SSブログ

八日目の蝉 タイトルの意味が深すぎる!旧約聖書から蝉周期まで...何重もの解釈が含まれていた?! [映画]

八日目の蝉、
何度見てもいい映画ですね...
男性と女性で、すこし感じ方も
違うかもしれませんが、
わたしは女性なので、つい共感してしまいます。

そんな「八日目の蝉」というタイトルですが、
この意味深なタイトルの示す意味とは、
一体なんでしょうか。
映画のストーリーに沿って考えると、
様々な解釈が見えてきます。

(※ネタバレをたくさん含みます、ご注意ください)


スポンサードリンク






劇中で、蝉について触れられている
シーンがあるので、
まずはそのセリフを振り返りつつ、
様々な解釈を見て行きましょう。

まずは、
千草と恵理菜の会話シーンです。

蝉って、何年も土の中にいるのに、
地上に出て七日で死んじゃうんだって。
かわいそうだよね

「そうかな。
ほかのどの蝉も七日で死んじゃうなら
別に悲しくないよ。
もし自分だけ、八日目まで生きて、
仲間がいなかったらその方が悲しいね

(1)八日目の蝉=希和子



最も王道な解釈は、やはり
"孤独"や"望まざるべき"存在
という意味で、
他人の子供を誘拐した希和子のことを
あらわしていると思われます。

希和子は攫った子供に"薫"と名付け、
宗教施設エンジェルホームで3年間を過ごした後、
ここを飛び出し、小豆島へと移ってともに暮らします。

その小豆島の奇跡のような楽しい日々が、
8日目を表しているのではないでしょうか。

そして、本来経験することができないはずの、
他人の子供を自分の子供とし、
ともに暮らすことの出来た希和子こそ、
八日目の蝉にふわさしいですね。
」という字に、その意味がこめられて
いるのかもしれません。


ちなみに、この4年という年月。
蝉が地中の中で過ごす年月周期と、
ほぼ一致するんですよね。

種類によって異なるのですが、
・ミンミン蝉=2〜4年
・アブラ蝉=2〜4年
・ニイニイ蝉=4〜5年
・クマ蝉=2〜5年

こちらも、
なにか意味があるようにも思えてなりません。

(2)八日目の蝉=恵理菜


八日目の蝉とは、同時に、
エンディング後の恵理菜のことを
示しているともいえます。

恵理菜も、妻子ある男性との恋に落ち、
妊娠してしまいます。そして希和子と同じく、
堕胎を乞われている状況で、
決断に迷った彼女は、
自分探しの旅に出ます。

ラストシーンでの、恵理菜のセリフ。

八日目の蝉は、
ほかの蝉には見られなかったものを見られるんだから。
私がこの子に色んなものを見せてあげる

恵理菜は子供を生む決意を固めます。

たとえそれが、
周囲に望まれない罪事であっても、
忌み嫌われることであっても。

生きることによって、
なにか人とは違う素晴らしいもの、
が見えくるのではないか、
ということですね。

ちなみに、途中でエンジェルホームにおいて
暮らす二人の名前がありますが、
こちらの名前もストーリーと深く関係しています。

ルツ」とは、
旧約聖書のルツ記に登場する女性。
夫であるキリオンの死後、
姑のナオミから実家へ帰るように指示されますが、
ナオミを一人にし、離れることを嫌がり
ともにベツレヘムへと向かうことを選びます。
ちなみに「マロン」は、キリオンの兄です。

また「リベカ」とは、
同じく旧約聖書の創世記に登場する女性。
夫のイサクとの間にエサウとヤコブを生みますが、
次男であるヤコブを偏愛してしまい、
ヤコブと共謀して、
本来祝福を受けるべき長男のエサウを陥れ、
父からの祝福をヤコブに受けさせます。

重要なのは、ルツもリベカも、
もともとの「社会通念・慣習」に背いて、
自身の「愛情」を優先して行動した女性。
という点で共通しているということです。

希和子と、恵理菜が、
同じなにかを共有しているということを
表してる気がしますね。


スポンサードリンク






八日目の蝉=夫のいない妊婦


実は昆虫学的にいって、
八日目の蝉とは、
とくに珍しいものではありません。

というのも、
交尾を終えた雄が7日目で死んでしまう一方、
雌は一般的に寿命が長く、
8日以上生きて産卵を行う必要があるためです。

よって、
八日目の蝉=夫のいない妊婦
のことを指しているとも
捉えられるのです。

蝉=害虫?


映画の中に最も重要なシーンとして、
小豆島で行われる
虫送り
という伝統行事が登場します。

この虫送りとは、
おもに農作物を食い荒らすような
害虫を駆逐を祈願し、
その年の豊作を祈るという農耕儀礼です。

既婚の男性と不倫をし、
その子供を誘拐し、
夫婦と娘の時間を奪っている、
いくつもの罪を重ねた希和子。

彼女の存在は、蝉=害虫
という解釈でもって、
タイトルに還元し含まれているようにも思います。


以上になります。
長くなってしまいましたが、
このように幾重もの解釈が含まれた、
複雑な仕掛けとなっているんですね。
あらためて、深みのある作品だなあと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!



スポンサードリンク




コメント(0)  トラックバック(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。